スレート屋根には、主に「化粧スレート屋根」と「天然スレート屋根」の2種類あります。
スレート屋根は劣化状況に応じて、適切な修理をする必要があり、修理方法には「ひび割れ補修」「部分的な差し替え」「塗装」「カバー工法」「葺き替え」があります。
このページでは、スレート屋根の劣化現象や修理方法の説明と費用相場を説明いたします。
スレート屋根には、主に「化粧スレート屋根」と「天然スレート屋根」の2種類あります。
化粧スレート屋根とは、セメントに繊維物質を混ぜ合わせて板状に加工したもので、軽量で耐震性に優れている特徴があり、現在日本で最も普及している屋根材です。「カラーベスト」や「コロニアル」と呼ばれることもあります。
天然スレート屋根は粘板岩を薄い板状に加工した屋根材で、化粧スレートとは違い、自然の風合いを楽しむことができます。ただし、天然スレートは費用が高いため、日本ではあまり使用されていません。
このグラフは、ルーフクラフトで行った「戸建住宅に住む500人に聞いた家の屋根材の種類」のアンケート結果です。化粧スレートの割合は、500人中128人(25.6%)です。「使用屋根材がわからない」と答えたユーザーを除くと、35.8%の家で使われている、最も使用割合が多い屋根材です。
■軽量で耐震性に優れている
化粧スレートは、軽量なので建物への負荷が少なく、耐震性に優れているといったメリットがあります。
さらに軽い屋根材は、重量のある屋根材に比べて地震時の揺れ幅が小さくなるため、地震による建物へのダメージも軽減されます。
■施工費が安い
化粧スレートの施工費は、屋根材の中でも比較的安価と言えます。
■カラーやデザインが豊富
化粧スレートは屋根材の主流として一般的によく採用されているため、各メーカーからも様々な製品が発売されています。
カラーやデザインも豊富に揃えられているので選択肢も広がり、建物の雰囲気や自分の好みに合った屋根材を見つけることができるでしょう。
■取り扱っている業者が多い
前述の通り、化粧スレートは現在の主流なので、取り扱いしている業者も多いです。
業者が多い点がメリットと言える理由としては、新築時やリフォームを行う際に業者に依頼しやすかったり、将来的にも対応業者が見つからなくて困る心配もないことが挙げられます。
■割れやすい
化粧スレートは薄い板状のため、屋根の上に人が登ったり飛来物が当たった時に割れやすいというデメリットがあります。また、経年劣化によってもひび割れが生じてしまいます。
■メンテナンスの頻度が多い
化粧スレートは劣化するとコケや藻の発生、変色、ひび割れなどの症状が現れるため、7~10年前後を目安に塗装によるメンテナンスが必要となります。メンテナンスの頻度が多くなる分、その都度手間と費用がかかる点がデメリットと言えるでしょう。
劣化を放置しているとやがて雨漏りに発展してしまうので、屋根材を長持ちさせる為には現われるので定期的なメンテナンスが欠かせません。
■耐久性が低い
化粧スレートは施工費は安いですが、他の屋根材に比べて耐久性に劣ります。
■一部の商品で塗装ができない
アスベストによる健康被害が発覚して以降、アスベストを含まない屋根材として開発された「パミール」。しかし、性能については十分に検証されないまま販売されたため、施工から数年で不具合が見つかりました。パミールは塗装ではメンテナンスできないため注意が必要です。塗装ができない屋根材「パミール」とは?
化粧スレート屋根の価格は、1㎡あたり4,500~8,000円が相場です。
また、化粧スレートの耐用年数は20~25年程になります。化粧スレートは10年前後を目安に塗装によるメンテナンスが必要です。
ひび割れが軽度の場合は、コーキングによる補修が可能です。
ひび割れ補修にかかる費用は施工範囲によっても異なりますが、1万円~5万円が相場です。
スレート材の欠損は、部分的な差し替えを行います。
スレート屋根は、板同士が重なるように下から順に固定されているので、一部のみ取り外すことはできません。そのため、部分的に差し替える場合は、欠損部分を切り取って新しいスレート材を上から取り付けます。
部分差し替えの費用は、1箇所あたり1万円~5万円が相場です。
色褪せやコケ・藻など塗膜の劣化が見られる場合は、塗り替えによるメンテナンスを行います。
スレート屋根を塗装する時の注意点として、縁切りの必要性を理解しておくことが大切です。縁切りとは、スレート材同士の間が塗料によって塞がらないように隙間を開ける作業のことです。
スレート材同士の隙間には、屋根内部に入り込んだ雨水を排水する役割があるため、もし隙間が埋まってしまうと雨水の逃げ道が無くなり、最終的に溜まった雨水によって雨漏りが発生してしまいます。
屋根塗装の費用は使用する塗料によって変動しますが、一般的な住宅の場合40万円~60万円が相場です。
カバー工法とは、既存のスレート屋根を撤去せずに、そのまま上から新しい防水シートと屋根材を被せる方法のことです。
屋根材の劣化が激しく塗装で対応できない場合や、屋根材の耐用年数を迎えている際は、カバー工法によるメンテナンスが有効です。葺き替えに比べて費用を抑えつつ、屋根を新しくすることができます。
カバー工法の費用は、80万円~140万円が相場となります。
葺き替えとは、既存のスレート屋根を全て撤去してから、新しい防水シートや屋根材を取り付ける方法です。
下地の状態が悪く、雨漏りが発生していたり、屋根材の耐用年数を迎えている場合は葺き替えを行います。また、一度カバー工法を行った屋根は再度カバー工法を行えないため、その場合も葺き替えをする必要があります。
葺き替えにかかる費用は140万円~200万円が相場です。既存の屋根材を撤去する費用がかかるので、費用も高額になります。
スレート屋根の表面に施されている塗膜が劣化すると、色褪せや変色などが見られるようになります。
早急なメンテナンスは必要ありませんが、放置しているとやがて塗装が剥がれ、スレート材自体の劣化に繋がるため、塗り替えをしてスレート材を保護することが大切です。
スレート材に水分が滞留すると、コケや藻が発生します。コケや藻の発生は、美観が損なわれるだけではなく、屋根の防水機能が低下している証拠とも言えるため、状況の悪化を防ぐ為にも早めのメンテナンスが必要となります。
スレート材の劣化が進み、水分の浸透・乾燥を繰り返すと、スレート材が反り上がってしまう場合があります。スレート材の反りによって生じた隙間から、雨水が浸入して雨漏りする可能性もあるので、早急なメンテナンスが必要です。
スレート材のひび割れ・欠けは、経年劣化や飛来物などによる影響で発生します。スレート材の反りと同様に、ひび割れや欠けによって生じた隙間から内部に雨水が入り込む恐れがあるので、早急のメンテナンスが重要となります。
また、ひび割れや欠けが広範囲に見られる場合は、屋根材全体の耐久性が低下していることも考えられるため注意が必要です。
棟板金とは、スレート屋根の一番高い位置に取り付けられている金属製の部材のことで、屋根頂上から雨水が浸入しないようにカバーする役割があります。
棟板金は劣化するとサビや剥がれなどを引き起こすため、定期的なメンテナンスが大切です。さらに、棟板金を固定している釘は7~10年程で浮いたり、緩んできてしまうため、適切な時期に修理をして棟板金が外れないようにする必要があります。
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