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セメント瓦とは、名前の通りセメントを主成分とした瓦のことす。「厚形スレート瓦」「プレスセメント瓦」とも呼ばれています。

一方、モニエル瓦はセメントに砂利を混ぜたコンクリートを主成分とした瓦です。正式には「乾式コンクリート瓦」と言います。

どちらも耐熱性や防音性に優れており、カラーバリエーションも豊富にあるのが特徴です。

耐用年数は共に30～40年程で、10年前後を目安に塗り替えによるメンテナンスが必要です。また、価格は1㎡あたり5,000円～10,000円が相場となります。

セメント瓦とモニエル瓦の見分け方

セメント瓦とモニエル瓦は非常によく似ていますが、小口（断面）を確認することで見分けることができます。

セメント瓦は、小口が平らで滑らかになっており、モニエル瓦は砂利を含むため、凹凸のあるザラザラした小口になります。

屋根にセメント瓦・モニエル瓦を使っている家の割合

このグラフは、ルーフクラフトで行った「戸建住宅に住む500人に聞いた家の屋根材の種類」のアンケート結果です。セメント瓦・モニエル瓦の割合は、500人中20人(4.0％)です。「使用屋根材がわからない」と答えたユーザーを除くと、5.6％の家でしか使われていない珍しい屋根材です。

珍しい屋根材だからこそ、セメント瓦・モニエル瓦の修理するときは、施工実績豊富な業者を選ぶことが重要です。

塗装

瓦屋根の中には塗装が不要な瓦もありますが、セメント瓦・モニエル瓦の場合は塗装が必要です。塗り替えの際は、下地処理や高圧洗浄を行ってから、下塗り・中塗り・上塗りと塗装を進めていきます。

注意点として、モニエル瓦を塗装する場合は、塗装する前にスラリー層を除去することが重要です。

スラリー層とは、モニエル瓦表面に塗られている着色剤のことで、防水性を高める効果を持っています。万が一、スラリー層を除去せずに塗装をすると、直ぐに塗膜が剥がれてしまいます。

セメント瓦・モニエル瓦の塗装にかかる費用は、一般的な戸建て住宅の場合で30万円～70万円程が相場となります。

葺き替え

葺き替えとは、既存の瓦を全て撤去し、新しい防水シートや屋根材を設置する方法です。劣化が激しい時や瓦の耐用年数を迎えている場合は、葺き替えを行います。

また、塗装によるメンテナンスしか行っておらず、下地や防水シートが傷んでいる可能性がある場合や、耐震性の向上の為に軽量な屋根材に変更したい方なども、葺き替えを検討するのがいいでしょう。

セメント瓦・モニエル瓦の葺き替えにかかる費用は、新たに使用する屋根材によって異なりますが100～250万円が相場です。

漆喰の修理

漆喰の崩れや剥がれが発生している場合は、漆喰の塗り直し（詰め直し）を行います。既存の漆喰を全て撤去し、新しい漆喰を施工していきます。

漆喰の塗り直しにかかる費用は、1ｍあたり5,000円～10,000円が相場です。

色褪せ・変色

瓦の色褪せや変色は、経年劣化によって起こります。

表面の塗膜が劣化しているだけであれば、大きな心配はいりませんが、放置していると瓦そのものを劣化させてしまう原因となるので、早めに塗装をして瓦を保護することが大切です。

瓦のひび割れ・欠け

瓦のひび割れや欠けは、地震による振動や台風、強風時の飛来物などが原因で発生ます。

ひび割れや欠けが見られる場合は、亀裂や欠損によって生じた隙間から雨水が浸入し、漆喰の劣化や雨漏り繋がる恐れがあります。そのため、早急なメンテナンスが必要です。

割れや欠けを修理する際は部分的な瓦の交換が可能ですが、既に廃盤になっている製品も多いため、既存の瓦と同じものに交換できない可能性があります。

瓦のズレ

瓦のズレは、瓦を固定している漆喰の劣化や強風、地震による振動などが原因で発生します。

ズレたまま放置していると、屋根全体が安定感を無くし、次々に瓦が落下する危険性があります。さらに、ズレによって生じた隙間から雨水が内部に浸入する場合もあるため、早めのメンテナンスが重要です。

劣化が進行しておらず、瓦のズレのみ起きている場合は、瓦を元の位置に戻して固定することで修理できます。

漆喰の崩れ・剥がれ

瓦屋根の場合は、瓦を固定したり隙間を埋める目的として、あらゆる箇所に漆喰が施されています。漆喰は経年劣化や雨風の影響によって、崩れや剥がれを引き起こすため、定期的なメンテナンスが必要となります。

漆喰の劣化を放っておくと、崩れや剥がれで生じた隙間から雨水が入り込み、瓦のズレや飛散、雨漏りの発生などに繋がってしまいます。