ベランダ、バルコニーから雨漏りする原因は、防水層の劣化や排水口の詰まりなどです。
防水層が劣化している場合は、防水工事を行って新たに防水層を作り直す必要があります。排水口の詰まりは、落ち葉や泥などを綺麗に掃除することで改善できます。
屋上から雨漏りする場合も、ベランダ・バルコニーと同様に防水層の劣化や排水口の詰まりなどが原因です。
屋上は建物の一番高い所にあるので、雨風や紫外線の影響を受けやすく、防水層の劣化も進行しやすいと言えます。そのため、定期的な点検・メンテナンスが重要です。
アパートの場合は、マンションやビルのような屋上ではなく、戸建て住宅のような傾斜のある屋根の形状になっている建物もあります。
屋上と同じく、雨が直接当たる部分となるため、雨漏りの発生箇所となりやすいです。屋根から雨漏りする原因は、屋根材のひび割れや破損、剥がれ、棟板金の劣化などが挙げれます。
修理方法には、部分的な屋根材の差し替えや瓦の交換、棟板金の交換などがあります。さらに雨漏りが発生するほど劣化が進んでいる場合は、屋根材の葺き替えや下地に施されている防水シートの張り替えといった大掛かりな工事が必要になるケースもあります。
外壁から雨漏りする原因は、外壁のひび割れや欠損、目地部分のコーキングの劣化等です。
ひび割れや欠損が軽度の場合は、コーキング材を充填して部分補修を行います。劣化が激しい場合は、外壁の張り替えや防水シートの交換なども必要になる可能性があります。
また、目地部分に施されているコーキングの劣化症状としては、ひび割れや剥がれなどが挙げられます。補修する際は、既存のコーキングを全て撤去してから、新たにコーキング材を充填していきます。
窓周り・サッシから雨漏りする場合は、窓周辺の外壁の亀裂、サッシのコーキング劣化などが原因です。
外壁に亀裂が生じている場合は、コーキングによる部分補修または外壁の張り替えを行います。サッシのコーキング劣化は、新たにコーキング材を充填する方法を用いります。
雨漏りが発生している時は、まず調査を行って原因や雨水の浸入経路を特定することが重要です。調査をしっかりと行わないと適切な修理ができずに、雨漏りが再発してしまいます。
調査費用は被害の状況によって異なりますが、5万円~40万円が相場です。
基本的な調査方法としては、次のようなものがあります。
目視調査:直接、目視で状況を確認する方法
散水調査:雨水の浸入経路と思われる箇所に水をかけて、雨漏りを再現する方法
赤外線サーモグラフィー調査:建物の外から赤外線サーモグラフィーを当て、建物内部の温度差を確認する方法
修理費用も被害状況や工事内容によって変動します。主な修理費用は以下の通りです。
工事内容 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
屋上の防水工事 | 5,000円~12,000円/㎡ | 防水層の状況や工法によって費用は異なる。 |
屋根の部分修理 | 1万円~60万円 | 板金の交換や屋根材の差し替え、瓦の交換など工事内容や劣化範囲によって費用は異なる。 |
屋根カバー工法 | 50万円~150万円 | 古い屋根材の上に新しい屋根材を被せる方法。屋根材の種類によって費用が異なる。 |
屋根葺き替え | 60万円~200万円 | 古い屋根材を撤去してから新しい屋根材を設置する方法。屋根材の種類によって費用が異なる。 |
外壁の修理 | 50万円~200万円 | 破損が軽度であればコーキング補修など部分修理で対応できるが、状況によっては外壁の張り替えやカバー工法、防水シートの交換など大掛かりな工事が必要。 |
窓・サッシの修理 | 50万円~180万円 | サッシの新設や、サッシ周辺の外壁の修理などを行う。 |
建物の経年劣化によって外壁のひび割れや欠損が生じたり、防水機能が低下すると雨漏りの原因となります。そのため、マンションやビルの築年数が長いと、それだけ雨漏りの危険性は高まっていきます。
業者の施工不良によって雨漏りが発生するケースも少なからずあります。
新築マンションやビルにおいて雨漏りが発生した場合は、防水処理の不備や屋上の勾配不足などの施工不良が原因である可能性が高いです。
雨漏りの原因は、人為的な過失によるものもあり、例えば「ベランダの排水口の清掃を怠った」「雨が降っていた時に窓を開けたままにしていた」等といったケースが考えられます。
住人の不注意によって雨漏りに発展する場合もあるので、日頃からベランダの清掃をしておいたり、窓を開けっ放しにしないなどの注意が必要です。