ドーマーはヨーロッパ風の建築にみられる屋根上の小屋で、採光や通気性の向上を目的として設置されます。
1980代に流行し、現在でもドーマーを設置している住宅は数多くあります。このページでは、ドーマーの役割やメリット・デメリットを解説します。
ドーマーとは、屋根から突き出した三角形や四角形の屋根窓のことです。
天窓の場合は直射日光が当たり、部屋全体が暑くなりすぎるデメリットを持ちますが、ドーマーは採光しながら通気性を保てるのが魅力です。
ドーマーは、自宅内に屋根裏部屋やロフトがあり、なおかつ湿気が気になる方や部屋を明るくしたい方におすすめです。
ドーマーの役割や設置するメリットを1点ずつ紹介します。
ドーマーの設置は、自宅内に太陽の光を取り込む効果があります。
太陽光が入ることで部屋全体が明るい印象になるのはもちろん、日中なら電気をつけなくても生活できるので電気代の節約にも繋がります。
もしドーマーの耐熱性や断熱性が気になる場合は、性能を高められるペアガラスやトリプルガラスがおすすめです。
屋根裏やロフトは湿度が高くなりがちですが、ドーマーを設置することによって換気ができるため、カビやウイルスの繁殖を防げます。
また、屋根裏やロフトに、使用していない衣類や不用品をまとめて保管する方も多いかと思いますが、その際に使用する段ボールや紙袋のように狭くて暗い環境はゴキブリの好物と言えます。
念入りに掃除しているのにゴキブリや虫が発生する場合は、屋根裏やロフトの通気性に問題があるかもしれません。
ドーマーを設置することで、住宅全体のデザイン性を高められるメリットもあります。
屋根に立体感がでて、高級感溢れる印象となり、ヨーロッパ風の住宅のような雰囲気を醸し出せます。理想の形やデザインがある場合は、専門業者へ相談してみましょう。
通気性の向上や採光など設置するメリットが多いようにみえるドーマーですが、注意点もあります。
ドーマーを設置するデメリットや注意すべき点を解説します。
設置するドーマーの形、種類によっては屋根材との間に継ぎ目ができるため、雨漏りのリスクが高まります。
雨漏りすると、家財が浸水したり壁や天井にシミができたりするだけではなく、建物の寿命が縮まって価値が下がってしまうため注意が必要です。
ドーマーは天井部分に設置するため、掃除しにくいです。
自身で手入れする場合、柄の長いフロアワイパーにシートをつける、脚立を利用するなどの方法がありますが、首を痛めたり転倒するリスクがあるのでお勧めできません。
事故やケガを防ぐ為にも、ドーマーの掃除や手入れは専門業者に依頼するようにしましょう。
ドーマーを設置すると屋根の構造が複雑になるため、メンテナンス費用が高くなる傾向にあります。
また、外観全体の塗装をしたい、屋根を修理したいといった場合も、構造次第では業者に工事を断られるケースがあります。
ドーマーを設置すると屋根が凹凸になるため、太陽光パネルの取り付けが難しくなります。
屋根の平面部分だけに太陽光パネルを設置する選択肢もありますが、費用のわりに十分に太陽光を吸収できません。
ドーマーと太陽光パネルをどちらも設置したい方は、事前に専門業者へ相談しておきましょう。
ドーマーの設置によって室内の温度が上がりやすくなります。
特に、風がなく暑い日は換気をしても室内の温度が上昇しやすいため、断熱性が高い窓ガラスを選択したり、窓ガラスに断熱フィルムを貼るなどの対策が必要になるケースもあります。
火災保険の「風災補償」が適用される場合は、保険を利用して修理・補修できる可能性があります。
万が一、補修が必要になるとドーマーの種類や設置環境によっては、20万~60万円ほどの修繕費が必要となります。
ドーマーは特殊な屋根構造をしており、強風や大雨の影響を受けやすいので、もしもの時の為にもドーマーを設置する前に加入している保険内容を確認しておくといいでしょう。
屋根のドーマーを設置するメリット・デメリット、火災保険を活用したドーマーの修理方法を紹介しました。要点をまとめます。
・ドーマーとは屋根から突き出した三角形・四角形の屋根窓のこと
・ドーマーを設置すると、採光・通気性・デザイン性の向上が期待できる
・ドーマーを設置する注意点は、掃除やメンテナンスが難しいこと
ドーマーの設置は部屋の印象を変えたい時にオススメですが、太陽光パネルとの相性が良くなかったり、掃除がしにくいなどの注意点もあります。
また、自宅の構造によっては好みのドーマーの設置が難しいケースもあるため、業者と相談しながら慎重に工事を進めていくことが大切です。