プレハブは手軽に設置できることから、事務所や倉庫として活用されるケースも多いです。しかし、劣化するのが早いため、メンテナンスを怠ると雨漏りが発生してしまう可能性もあります。
このページでは、プレハブで雨漏りする原因や雨漏りによって受ける被害、修理方法などについて説明いたします。プレハブを保有している方は、ぜひ参考にしてみてください。
プレハブで雨漏りする原因は、主に次の4つです。
プレハブの屋根はほぼ平面になっているため、水が溜まりやすい構造と言えます。
水溜りを放置していると雨水の重さで屋根材がたわんだり、雨水によって劣化が進んでサビが発生し、やがて雨漏りを引き起こしてしまいます。
屋根に破損やサビ、穴あき、歪みなどが見られる場合、生じた隙間から雨水が浸入して雨漏りに発展してしまいます。また屋根の劣化は、太陽光や雨風による経年劣化や、飛来物による衝撃などによって発生します。
屋根材を固定する時に使用されるボルトやビスは、経年劣化によって緩みやサビを引き起こします。そして、緩みやサビにより生じたビス穴の隙間から雨水が入り込み、最終的に雨漏りが発生してしまいます。
取り合い部とは、屋根と外壁の接合部などの異なる建材同士が接する箇所を指します。
プレハブにも取り合い部や重ね部分があり、経年劣化や気候によって変形や隙間ができてしまうと、雨漏りの原因となってしまいます。
雨漏りによって受ける被害として、以下のようなことが考えられます。雨漏りを放置していると被害は拡大していきますので、注意しましょう。
雨漏りは建物だけではなく、プレハブ内の設備や備品の故障にも繋がる恐れがあります。万が一設備が故障した場合は、修理や交換に費用と時間を費やすことになり、費用面だけではなく精神面にも多大なダメージを与えてしまいます。
また、パソコンや書類が濡れると使い物にならなくなってしまい、会社の経営や取引先との関係に大きな影響を及ぼすことも懸念されます。
プレハブ内に電気設備がある場合は、漏電する危険性があります。漏電は気がつかないうちに発生しているケースもあり、漏電から火災や感電に繋がる可能性も考えらるので注意が必要です。
雨漏りの発生はプレハブ自体の腐食に繋がり、建物の耐久性や耐震性が低下する原因になってしまいます。最悪の場合、建物を支える柱や土台の腐食が進行し、建物が倒壊する恐れもあります。
プレハブはもともと通気性が良くない構造をしているため、カビが発生しやすい環境となります。そのような場所で雨漏りが起こると、湿気によってさらにカビが繁殖し、シミやカビ臭が広がっていってしまいます。
また、カビは建物だけではなく人体にも影響を及ぼし、シックハウス症候群や喘息などの健康被害に繋がる可能性もあるので注意しなければなりません。
プレハブに使われる屋根の種類は、主に「トタン屋根」と「ガルバリウム鋼板」の2種類あります。
トタン屋根は、銅板に亜鉛メッキを施したもので、屋根材の中でも比較的安価な種類になります。デメリットは、遮熱性や遮音性が低い、風で飛ばされやすいといった点です。
ひと昔前は、金属製屋根材の主流として多く使用されていましたが、現在ではサビが発生しにくいガルバリウム鋼板を採用するケースが増えているため、トタン屋根はあまり見かけなくなってきています。
トタン屋根の施工費は1㎡あたり4,000円~6,000円、耐用年数は10~20年程です。仮設事務所など短期間の利用目的の場合は、トタン屋根ほどの耐久性でも問題ないと言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板は、銅板にの表面にアルミニウム、亜鉛、シリコンをメッキ処理した屋根材で、住宅の屋根材としても現在主流となっている種類です。金属製の屋根材の中ではサビが発生しにくい特徴があり、さらに耐久性や耐震性にも優れています。
デメリットとしては、費用が高めな点や、飛来物によって傷・へこみが出来やすいことが挙げられます。また、サビにくい性質ではありますが、金属製なので全くサビが発生しないというわけではありません。
ガルバリウム鋼板の施工費は1㎡あたり6,000円~11,000円、耐用年数は30~40年程です。長期的に利用するのであれば、耐久性の高いガルバリウム鋼板がオススメです。
プレハブで雨漏りした時に自分でできる応急処置には、次のような方法があります。
ただし、あくまで応急処置なので、放置せずに必ず専門の業者に調査・修理を依頼することが大切です。また、屋根に登って作業するのは大変危険なので、絶対にやめましょう。
雨水の浸入箇所がある程度特定できており、かつ破損部分の範囲が小さい場合は、防水テープを貼って浸入口を塞ぐ方法が有効的です。
防水テープを貼る際は、水分やホコリを綺麗に拭き取ってから、隙間が出来ないようにしっかりと密着させて貼っていきます。よれや隙間が出来るとそこから雨水が入り込んでしまうので、丁寧に作業することが重要です。
穴や亀裂などから雨水が浸入している場合は、コーキングで劣化箇所を埋める方法もあります。
コーキングとは、外壁の目地を埋めたり、ひび割れの修理などの際に使われるゴム状の部材で、ホームセンターでもDIY用のものが売られています。
注意点として、誤った箇所を埋めてしまったり、むやみやたりに穴を塞ぐと、雨漏りを悪化させて被害がさらに拡大してしまう可能性があります。そのため、コーキングを使用した応急処置は、あまりオススメできません。
業者に依頼した際に行われる雨漏りの修理方法を紹介いたします。
軽度のひび割れや穴あきであれば、コーキングによる補修が可能です。また、屋根材の破損が部分的なものの場合は、破損している箇所のみ新しいトタンで修復することもできます。
部分補修にかかる費用は範囲や工事内容によってもことなりますが、数万円~10万円程が相場です。
カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せずに、そのまま上から新しい屋根材を被せる方法です。
カバー工法は屋根材の撤去にかかる費用や手間がかからないため、コストを抑えつつ屋根のリフォームが可能です。部分補修では対応しきれない状態の場合でも、出来るだけ修理費用を安くしたいという方はカバー工法がいいでしょう。
ただし、屋根全体の劣化が激しかったり、すでカバー工法をしている屋根の場合は、カバー工法を行えないことがあります。
プレハブ屋根のカバー工法にかかる費用は、50万円~が相場です。
葺き替えとは、既存の屋根材を撤去してから、新たに屋根材を取り付ける方法です。下地から屋根材まで全て一新できるので、屋根全体の寿命を延ばすことができます。
屋根の劣化が激しく下地にまで影響が出ていたり、将来的に不安要素を残しておきたくないといった方は、屋根の葺き替えがオススメです。
ただ、葺き替えの場合は屋根材の撤去費用や手間がかかるため、屋根修理の中では最も高額な工事となります。プレハブ屋根の葺き替えにかかる費用は、60万円~が相場です
プレハブで雨漏りが発生するのは、屋根材の破損やボルトの緩み、屋根上の水溜りなどが原因です。雨漏りを放置していると、建物だけではなく設備の故障や漏電による事故にも繋がるため、早急な処置が重要となります。
対処が早ければ、その分修理費用も抑えられますので、建材の破損やサビなどの症状を見つけた場合は、専門業者に相談するようにしましょう。