屋根材の種類は数多くあり、ほとんどの屋根材は塗装による定期的なメンテナンスが必要です。美観の向上はもちろん、塗装には紫外線や雨風などから屋根材を保護したり、防水性を高める効果もあります。
しかし、雨漏り修理に関しては、塗装だけでは完全に直すことができないため、大切なお家を守る為にも、正しい修理方法をしっておくことが重要です。
このページでは、屋根塗装を行う目的や屋根から雨漏りしている時の修理方法などについて説明いたします。
結論から言うと、屋根塗装だけで雨漏りが直るケースはほとんどありません。
そのため、業者に「塗装で雨漏りが直ります」と言われた場合は、注意が必要です。
塗装で雨漏りを直せない理由は、基本的に屋根から雨漏りするのは、屋根材が破損や防水シートの劣化が原因だからです。
屋根の構造は、内側から「野地板→防水シート→屋根材」となっており、防水シートの役割によって雨水が建物内部へ浸入するのを防ぐことができます。
しかし、屋根材に破損やひび割れが発生すると、屋根材で防水シートを保護できなくなり、防水シートが直接雨の影響を受けて防水機能が低下したり、防水シート自体が破れて雨漏りに発展してしまいます。
屋根材の破損や防水シートの劣化を改善させる為には、それぞれ新しいものに交換しなければならず、屋根材の表面に塗装をしたからと言って、防水シートの劣化や雨漏りが解決するわけではありません。
屋根塗装を行う目的は、主に以下の3点です。雨漏り自体は塗装で直すことができませんが、屋根材の劣化を防ぐ為にも塗装はとても重要です。
塗装を行う目的としてまず挙げられるのが、美観の回復・向上です。
屋根に施されている塗装は、紫外線や雨風の影響で劣化し、色褪せやひび割れ、剥がれなどの症状が現れるようになります。そして、劣化を放置していると屋根だけではなく、建物全体の見た目も悪くなってしまいます。
塗装をすることで綺麗な屋根を取り戻せたり、色選びを工夫することにより建物の雰囲気も変えることが出来ます。
屋根塗装には、屋根材を保護して劣化を最小限に抑え、屋根全体の寿命を延ばす目的もあります。
塗装をしていない屋根材の場合、屋根材が直接、紫外線や雨の影響を受けることになり、劣化するスピードが早くなってしまいます。また、屋根材自体の劣化が進行すると割れや破損などに繋がり、やがて雨漏りに発展します。
屋根は日頃から紫外線や雨などにさらされているため、塗料による保護機能で屋根材を守ることが重要です。
屋根塗装に使われる塗料は各メーカーから数多く発売されており、中には機能性を持った商品も開発されています。
例えば、遮熱機能を持つ塗料は夏場の室内の温度上昇を抑えられたり、セルフクリーニング機能や低汚染機能がある塗料は、塗膜に汚れが付着しにくくなる効果が期待できます。
機能性を持つ塗料を塗ることによって、日々の生活を快適に過ごせるようになったり、綺麗な状態を長く保てるなどのメリットがあります。
屋根から雨漏りしている際の修理方法には、次のような方法があります。
屋根材が一部破損している、軽度なひび割れが発生しているといった場合は、部分補修が可能です。コーキング材で亀裂を埋めたり、部分的に屋根材を差し替えるなどして修理します。
注意点として、費用を抑えて修理が出来る反面、部分補修を行う際はしっかりと調査してからではないと、雨漏りを悪化させてしまう可能性があります。
万が一、雨漏りの原因特定が甘く、誤った場所をコーキングで塞いでしまうと、雨水が正しく排水できずに屋根内部に水が溜まったり、雨水の流れが変わって別の場所から雨漏りする事態に発展してしまいます。
屋根のカバー工法とは、既存の屋根材をそのまま残し、上から新しい屋根材を被せる方法です。屋根材の傷みが少なく、下地にまで劣化が到達していない場合に行うことが可能です。
既存の屋根材を撤去しないので、葺き替えよりも費用を抑えて屋根リフォームが出来ます。さらに、屋根材が2重になるため、防音性が向上するといったメリットもあります。
ただし、屋根の重量が増えるので、新たに被せる屋根材はガルバリウム鋼板やアスファルトシングルといった軽量の素材に限ります。
また、下地が劣化していたり、すでにカバー工法を行っている屋根には施工できません。カバー工法で対応出来ない場合は、葺き替えによる屋根リフォームが必要となります。
屋根の葺き替えとは、既存の屋根材を全て撤去し、防水シートと屋根材を新しいものに交換する方法です。
一度屋根材を撤去するため、下地の状況を確認しながら工事を進めることができるメリットがあります。さらに、葺き替えの場合は屋根全体を一新できるので、屋根の劣化に四て雨漏りが再発する心配もありません。
ただ、屋根材の撤去にかかる手間や処分費等がかかるため、屋根リフォームの中では最も高額な工事となります。
屋根塗装の目的は美観の回復、屋根材の保護、機能性の付加の3点です。屋根材の劣化を防ぐ為には定期的な塗り替えは重要ですが、雨漏りを塗装で直すことはできません。
雨漏りしている場合は、部分補修またはカバー工法や葺き替えといった屋根リフォームを行い、雨漏りの原因を根本から解決することが必要となります。
雨漏りを放置していると建物の大きなダメージを与えてしまうので、屋根の劣化や雨漏りの発生を見つけた時は、早急に専門業者に調査・修理を依頼するようにしましょう。
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