塩ビシート防水とは、塩化ビニル樹脂を原料としたシートを貼って防水層を形成していく工法です。
大きなシートで一度に広範囲を施工できるため、マンションやビルの屋上など広い場所の防水工事に適しています。工期は2~4日程度です。
塩ビシート防水の耐用年数は、一般的に10年~20年です。
施工費用は、1㎡あたり4,000円~7,000円程が相場になります。
塩ビシート防水のメリットとして、次のような点が挙げられます。
塩ビシート防水は、ウレタン防水やFRP防水などの塗膜防水と比べ、耐久性に優れているメリットがあります。例えば、FRP防水の場合は耐用年数が8年~10年程度です。
また、耐用年数が長いので、メンテナンスに手間がかかる商業施設や大規模な建物の防水工事にも向いています。
塗膜防水の場合は職人が手作業で塗装していくため、広い面積の施工は時間と手間がかかりますが、塩ビシート防水であれば、既製品のシートを貼る工法なので広範囲を一度に施工できます。
塩ビシート防水は、既製品のシートを使うため品質が一定に保たれており、凹凸がなく厚みも均一な仕上がりになります。
塩ビシート防水は、既存の防水層がシート防水以外の場合でも、防水層を撤去せずに上から被せて貼ることができるので、下地を選ばずに施工が可能です。
塩ビシート防水のデメリットは以下の通りです。
シートを貼り付けていく工法なので、凹凸や設置物が多い複雑な形状の施工場所には不向きです。
複雑な形状で凹凸が多い場合は、シートを施工箇所に合わせてカットし貼っていきますが、その際にすき間ができてしまう可能性があり、そこから雨水が入り込んでしまうリスクがあります。
塩ビシート防水の機械固定工法を行う際、金具を固定する為に下地にドリルで打ち付けるので、作業中に振動音が発生します。
下の階の住人や近隣の建物に対する騒音対策が必要となります。
塩ビシート防水には「機械固定工法」と「密着工法」の2種類あります。
機械固定工法とは、塩ビシートを敷いた後に鋼板やビスを使ってシートを固定する工法のことです。シート防水の中では代表的な工法で、下地への影響が少ないため、主に改修工事で採用されています。また下地処理が最低限で済むので、工期を短縮できるメリットもあります。
施工する際はまず下地の強度を確認し、絶縁シートを敷設してから塩ビシートを固定する為の金具を取り付けていきます。そして、塩ビシートが下地に密着しないように、取り付けた金具に塩ビシートを固定していきます。
固定金具を取り付ける際に振動音が発生するため、ご近所への配慮が大切です。
固定ディスクや鋼板を用いて、防水シートを屋根下地に固定する工法です。
下地の影響を受けにくく、改修工事の場合など、下地処理が最低限で済み、工期短縮をはかる事ができます。
密着工法とは、下地に接着剤を塗布して、直接防水シートを貼り付ける工法です。下地前面にシートを接着させるので、優れた耐風圧性を発揮します。さらに機械固定工法よりも費用を安く抑えられ、工期も短縮できるといったメリットもあります。
ただし、下地の影響を受けやすく通気性がないため、雨漏りしている建物の場合は不向きです。また、下地の乾燥状態にも注意が必要で、施工場所をしっかりと乾燥させてから作業することが重要となります。
密着工法は溶剤系の接着剤を使用するので、火災や吸い込みによる中毒に注意が必要です。
経年劣化や紫外線、雨などの外的要因によって、シートが剝がれたり破れることがあります。
破れた部分が小さければ、パッチ処理で破れた部分を覆う方法で補修します。パッチ処理とは、破損した部分に合わせてシートをカットし、部分的に貼り付ける補修方法です。
剥がれた部分に関しては、熱による溶着で剥がれた部分を塞いで修理します。
シート内部に浸透してきた水分が太陽光などで蒸発し、湿気となって防水層の中で膨らんだり、シートを浮かせてしまう場合があります。
シートの膨れや浮きが小さければ、脱気筒を設置して水蒸気を逃がすことで対処できます。膨れや浮きが広範囲に広がっている場合は、防水層の改修工事を行います。
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